研究課題/領域番号 |
25420648
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
遠藤 和義 工学院大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20194029)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 中小建設業 / キャッシュフロー / キャッシュマネジメント / ファイナンス / 債権流動化 |
研究概要 |
・文献調査:関連分野の論文、白書、各種研究機関の調査報告書、専門書を対象とし、現在、大手ゼネコンの一部が導入している下請に対する新しい支払方法であるファクタリング等の現状と問題点、資金力や信用能力の弱い地方中小のゼネコン、下請に適用する場合の課題を整理した。 ・生産システムの原価連鎖モデルとシミュレーション:中小建設業の財務データ、関連オープンデータを元に生産システムをマクロなウォーターフォールモデルとして可視化し、工事の規模、工期、支払条件等様々に想定される条件下で、主に1次下請の財務内容に対する影響を観察した。 ・先行事例の調査、建設業経営者等へのヒアリング:マイクロファイナンス、コミュニティクレジット等のマイクロ企業を対象とした直接金融の先行事例、建設業およびその他産業における元下関係における支払オプション等に関して企業、経営者に対するインタビューを実施した。とくに仕事量が急増している被災地の中小建設業者の資金繰りの詳細について聞いた。 ・プロジェクトファイナンス方式の設計:文献調査や先行事例の分析をふまえて、建設業経営コンサルタントや金融の専門家もまじえたディスカッションによりプロジェクトファイナンス方式の設計をおこなった。 ・プロジェクトファイナンス方式の予備的シミュレーション:実態に基づいて貸付先と資金調達先をモデル化して、貸付先の資金や経営改善効果によってプロジェクトファイナンス方式のパフォーマンスを予備的にシミュレーションした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・文献調査:必要な書籍、論文、報告書等の購入等によって課題の整理ができた。 ・生産システムの原価連鎖モデルとシミュレーション:ウォーターフォールモデルを作成し、専門家による会合の場で公開し、評価を受けた。 ・先行事例の調査、建設業経営者等へのヒアリング:重機等を先行取得する必要のある建設業者や被災地で仕事量が急増し資金繰りにストレスのかかる中小建設業者にヒアリングを行い、実態が把握できた。 ・プロジェクトファイナンス方式の設計:建設業経営コンサルタントや金融の専門家から現実的なプロジェクトファイナンス方式のアイデアを収集できた。 ・プロジェクトファイナンス方式の予備的シミュレーション:表計算ソフト上にシミュレーション可能なワークシートのプロトタイプを作成できた。
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今後の研究の推進方策 |
・資金フローシミュレータの完成:仮想の工事を対象とし、入金、支払の時間軸を考慮し、そこに介在する主要な条件をパラメータとする資金フローシミュレータを文献、統計資料、ヒアリングにもとづいて作成する。 ・資金フロー効率化の探索:資金フローの効率化を目的としてパラメータを操作し、想定される条件下における資金フロー改善の要件を整理する。シミュレータから得られる月次の資金フローを合成し、ゼネコン、1次下請群の企業全体としての資金繰り、受注戦略について考察する。現状、請負契約から必然的に発生する運転資金のファイナンスには企業ごとの与信によって限界があり、営業利益は黒字であっても、資金ショートで倒産することが少なからず発生している。すでに述べたように、2次以降の下請群は、入金と支払のタイムラグに耐えるような形をそもそも持っていない。こうした条件を満たす中小建設業向けに売掛債権を適切に流動化させるプロジェクトファイナンス手法を探索する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成26年度に予定しているソフトウエア開発の費用として繰り越した。 専門家に依頼するソフトウエア開発の費用の一部として使用する計画である。
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