研究課題/領域番号 |
25420651
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
篠崎 道彦 芝浦工業大学, デザイン工学部, 教授 (60241014)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | マラッカ / 景観 / 地球温暖化 / 都市デザイン / GIS |
研究概要 |
マラッカ歴史地区を対象にユネスコ世界遺産登録エリアを中心とした空間情報データセット作成に取り組んだ。収集したデータは,行政界,街区・敷地境界,土地利用現況,ユネスコゾーン,道路,等高線,歴史的建造物位置,緑地・樹木位置である。デジタルデータは属性データをマレー語から翻訳,紙地図はスキャニングとジオレファレンス,座標系の変換・統一化などの加工・調整によりGIS上で用いるデータセットを整備した。 土地利用の概況は商業業務地区が約46%, 観光スポットでもある歴史的な公共建築などを含む教育・コミュニティ関連が約30%,住居系約11%, オープンスペース・空地は僅かに6%程度である。現状ではユネスコ・コアゾーン・マラッカ川西側地区にはまとまった緑地・空地がほとんど確認できていない。 また,環境解析を行うために,対象地区再近隣ウエザーステーションにおける過去10年間の気象観測データを入手,年間,日中温度変化,風配図などを分析し,温湿度の初期値,卓越風の設定値を決定した。さらに,現地調査を実施,建物ファサードの連続写真を撮影,補正・連結によって建物高さを推定してモデリングを行った。微気候のシミュレーションにはEnvi-metモデルを用い,地区の建物高さ,草木高さ,土地被覆等を考慮した3次元モデルにより,気温,地表面温度,風速を水平グリッド2m間隔で計算して分布図を作成した。コアゾーン内の熱環境を概観し,ポケットパークや川の線的に結ぶことによる冷却効果の可能性が示唆された。 最後に,歴史地区の景観,眺望,回遊動線の現状を把握するためSpace Syntax手法に基づき,Axial mapおよびVisilibility Analysys Mapを作成,可視領域の可視領域解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書に記載した平成25年度計画, (A) 現況土地建物レイヤ,(B) 現況微気候レイヤ,(C) 物的景観保全レイヤの作成が,研究実績の概要に記した通り完了した。 研究成果の一部を国際会議で2編発表した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画調書に記載した2年目,3年目の計画を変更すべき理由は特段生じておらず,計画に従って研究を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費の調達価格,人件費支出が見込み額を若干下回ったため次年度使用額が生じた。 次年度使用額は当該年度分助成金の5%程度であり,翌年度分とをあわせた予算計画に大きな変更は生じない。旅費68万円(国内8,国外60),人件費25万円,消耗品費10万円,その他(投稿料など)25万円である。
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