研究課題/領域番号 |
25420653
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
秋山 哲一 東洋大学, 理工学部, 教授 (30111917)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 分譲マンション / 改修工事 / 共用部分 / 専有部分 / 管理規約・使用細則 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、研究の第2年度として、具体的には以下の2つの調査を行い、専有部分改修工事に関連したリフォームルールの策定状況と、専有部分改修工事の実態の整理を行った。 ①分譲マンションの共用部分・専有部分改修工事に積極的に取り組んでいるマンション改修工事業団体およびマンション管理業団体の協力を得て、専有部分リフォームルール及びその変遷についての実態調査を実施した。約500のマンション管理組合の専有部分リフォームに関するルールの策定状況が確認できた。マンションの経年劣化状況やマンションの資産価値維持・向上に関する管理組合の考え方によって、マンションリフォームルールそのものにも異なったニーズがあることが確認できた。また、現状のリフォームルールについてニーズに基づいた改定が重要であることを確認した。 ②分譲マンションの共用部分・専有部分改修工事に密接な関係がある給排水設備改修工事に着目して、共用部分改修工事に伴う専用部分の道連れ工事、専有部分オプション工事の実態把握を行った。特にオプション工事等の機能向上のための追加投資がうまく継続している改修工事について、管理組合・コンサルタント・施工業者の役割分担関係について整理を進めた。 ③さらに管理組合の協力のもと、専有部分改修工事についての改修工事申請書の収集整理を行い、専有部分工事履歴と共用部分改修工事の関係を整理した。共用部分改修工事の計画的実施によって、個別散在的に発生してくると思われている専有部分改修工事も計画的に進めていくことができるの可能性を示すことができた。 以上の調査の結果を取りまとめ、日本建築学会建築社会システム委員会建築生産シンポジウム論文集2015.7(事前審査登録中)および日本建築学会大会論文梗概集2015.9(投稿中)で発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に引き続いて、マンションの共用部分改修工事と専有部分改修工事に関する実態調査は順調に実施できた。また、マンション改修工事業団体とマンション管理業団体の調査協力を得て、マンションの経年別の専有部分改修工事に関するリフォームルールの設定状況、変更状況、今後のルール策定のニーズなどを具体的に整理作業を進めることができた。さらに、特定のマンション管理組合の了解を得て、専有部分改修工事に関するリフォームルールに基づいて提出されている工事申請書の分析を通じて専有部分工事履歴管理の重要性を確認した。この研究成果を日本建築学会大会や同学会・建築生産シンポジウム論文集に投稿を予定している。引き続き、その法的妥当性について専門の弁護士に確認する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度もマンション改修工事業団体との研究協力関係を継続する予定である。そのほか、平成26年度調査によって専有部分改修工事に関係したリフォームルールの実態把握がほぼ網羅できたので、リフォームルールのあるべき姿やルール設定の法的妥当性の確認を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品用として予定していた予算に少額の残額が出たので、次年度分として使用する扱いとした。
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次年度使用額の使用計画 |
残額(8,568円)については、次年度の消耗品としての使用を予定している。
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