福島県須賀川市では、東日本大震災により、まちなかの主要な公共施設を中心に多くの建物が被災し、特に地場産の赤瓦を使用した建物の被害が大きく、なまこ壁や屋根に使用していた土蔵など、赤瓦の多くは解体・改修により処分されてしまった。失われたことにより改めて地域の独自性の拠り所として意識した建物所有者は、改修時に赤瓦を活かしたデザインや赤瓦色を意識した素材を活用していることが確認された。 また、現存する赤瓦の活用状況は、足元周辺等、瓦を処分せずに歩行時に目視できるよう使用した事例もみられることから、地域住民における復興の拠り所として、以前の生活景を継承する姿勢が復興まちづくりとして重視と推測される。
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