研究実績の概要 |
今年度実績として、スペイン国立インディアス古文書館の地図・都市図部門メキシコ、ブエノスアイレス各セクションのほか、グアテマラ・セクションにも目を向け、都市を描いたイメージ資料の選定を進めた。これらの資料が伝達する情報を吟味し、スペイン植民地時代に「都市を計画する行為」が具体的にどのような行為として捉えられていたかを考察した。都市図選定作業は、選定基準そのものの妥当性を検討しつつ進め、都市図から得られた描画要素はすべて都市図データとして蓄積している。 今年度は、特に市壁の輪郭線の位置を検討した図に着目し、都市の建設場所の選定後、都市の輪郭を決定する作業を示す複数の都市図を比較した。こうしたイメージ資料は、城壁の位置検討プロセスや都市のスケールをどのように決定していたのか、その判断材料を示すものでもある。 考察の成果は、以下の査読論文で公表した。 ・KASHIMA, Akihiro: Perspectives on Town Planning in the 16th Century Spanish Colonies, Focusing on a Town’s Scale and its Spatial Structure, Proceedings of the 16th International Planning History Society, University of Florida and Flagler College, St. Augustine, Florida, July 20-24, 2014, Select Full Papers -Volume 1-, 2014, pp.534-545. ・加嶋章博、スペイン植民地時代におけるグアテマラ市都市図の作図に関する一考察、学術講演梗概集 2014(建築歴史・意匠)、日本建築学会、2014, pp.127-128.
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