研究課題
基盤研究(C)
濃尾地方の建築における洋風の実態に関して、現存遺構の調査に基づき事例的に分析し、画像資料と比較しつつ特徴と時代的な変遷を整理した。下見板張りを基調とした洋風の外観は、戦前に至るまで広く確認できる一方で、大正時代まで確認できる土蔵造形式は大正末からみられなくなる。一方、架構に関しては、洋小屋の採用事例は必ずしも多くはなく、外観は純然とした洋風でも小屋組は伝統的な構成である事例は多い。架構については、設計・施工者の技術的な背景に基づく伝統工法が主流であったと考えられる。
建築史