| 研究課題/領域番号 |
25420684
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| 研究機関 | 沖縄大学 |
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研究代表者 |
小野 啓子 沖縄大学, 法経学部, 教授 (50369211)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 都市史 / 太平洋島嶼地域 / 製糖業 / プランテーション / ハワイ |
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| 研究実績の概要 |
戦前期、日本の委任統治領であった旧南洋群島(ミクロネシア)の経済は糖業が牽引したが、そこで建設された糖業プランテーションの原型は1920年代までに日本統治下の台湾で作られた。さらに、台湾で建設された糖業プランテーションのルーツは20世紀初頭のハワイ諸島にあった。本研究の目的は、第一に、太平洋島嶼地域の近代化に大きな影響を与えた戦前期のハワイ諸島の糖業プランテーションについて、その産業セトルメントとしての特質や、工場外の周辺部を含めた「糖業プランテーションタウン」の都市構造を明らかにすること、第二に、ハワイの糖業プランテーションとその影響を受けながら展開した台湾、旧南洋群島の糖業プランテーションタウンの都市構造を比較分析し、太平洋地域の近代化及び都市史の視点から位置づけることである。
糖業プランテーションの開発においては、単に製糖や甘蔗栽培の技術だけではなく、郊外住宅風の社宅群、クラブハウス、テニスコート等の福利厚生施設などを含む計画モデルが先進事例から移転され、居住者の生活文化に影響を与えた。ハワイから台湾、ミクロネシアにいたる都市的系譜を「糖業プランテーションタウン」を通して具体的に考察することがねらいである。
平成25年度より、現地調査等で収集した、ハワイ島、マウイ島、オアフ島の旧糖業プランテーションの現況資料、旧製糖会社の地図等の資料、ハワイ大学図書館、州公文書館、各島の博物館収蔵の19世紀末から20世紀初頭の糖業プランテーションの状況がわかる地図、写真、統計等の資料と、旧糖業プランテーションや周辺の町での生活体験についての聞き取り調査の成果を照らし合わせながら、都市的な変遷を追う作業を行っている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度に行った2回の現地調査、旧糖業会社所有の地図や写真、公文書館所蔵の地図や写真、統計資料、居住者の聞き取り（とくに住まい～町との関係など）などの一次資料の分析作業を行っている。ミクロネシアや台湾の糖業プランテーションとの比較研究を進めるための資料はほぼ揃った。ただし、平成27年4月より学部長就任のため、取りまとめ作業に遅れが生じている。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成28年度は引き続き、データの分析、図版の作成、資料の分析、調査のとりまとめを行い、論文の執筆を行う。特に、ミクロネシアや台湾の糖業プランテーションとの比較を行い、ルーツであるハワイの糖業プランテーションと末端である南洋群島の糖業プランテーションをつなぎ、太平洋地域の近代化の様相をより具体的に明らかにしていく。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は学部長就任のため業務多忙となり、研究計画に遅れが生じた。
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| 次年度使用額の使用計画 |
調査のとりまとめに際して、必要な資料の収集、国内での調査旅費に使用する予定である。
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