ツガ独自の暦年標準パターンによる年代測定と産地推定を目指し、近世から近代までの建築古材や現生材を対象に年輪データの収集と計測を継続した。その結果、懸案となっている古材によるパターンと現生材のパターンとの接続は今回も成らなかったが、これまで年輪データに乏しかった四国地方の建物でデータの蓄積が一気に進んだ。また、関連するヒノキデータにより、古材によるパターンにこれまで暫定的に付してきた年代の妥当性が確かめられた。また、北海道の明治建築を調査した結果、当地に四国方面のツガ材が持ち込まれていた可能性が示唆された。
|