本研究では、磁化の運動方程式におけるギルバート緩和の微視的理解と、第一原理計算による遷移金属合金のギルバート緩和定数αの定量評価を行った。その結果、これまで異なる形で表されていたαに関する表式が結果として同じ結果を与えること、また、その中でもトルク相関法に基づく記述が(バーテックス補正項を無視できるなど)数値計算を行う上でより簡便に適切な結果を与えることが明らかとなった。更に、この検討結果を受けて、トルク相関法を用いてホイスラー合金のαの第一原理計算を行い、αの値がフェルミ準位の電子状態密度を強く反映することを示した。
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