ex situ法MgB2線材に於いて、結晶粒間結合を改善するために、焼結反応の阻害となるMgB2粒表層のMgO除去を行った。弱酸性溶液による溶解除去、Ca化合物添加による還元除去、粉砕処理による機械的除去のうち、臨界電流密度(Jc)特性の改善に最も有効であったのが機械的除去であった。この手法を用いた研究は既に報告されているが、粉砕処理による活性粉末の取り扱いに注意することによって、これまでの報告値と比較して、温度-269℃(4.2 K)、磁束密度10 T(テスラ)でのJc値は2倍、線材の最適加熱処理温度は100℃以上低下した。
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