我々は液-液界面析出法で生成したウィスカー状フラーレンにアルカリ金属ドープを行い、世界で初めて超伝導化に成功した。その反応速度は、これまで報告されてきたフラーレンへのドープに比べ、非常に容易に短時間で行うことができた。また、限定的ではあるが臨界電流密度の評価においても特性も10の5乗アンペア/平方センチメートル以上と大変よく、期待できる結果となった。これらの優れた性質はウィスカー内のナノ細孔が大きな役割をしていると考察した。この研究は緒についたばかりで、様々な課題あることも確かである。線材化にはまだ課題は多いが、非常に軽くしなやかな超伝導繊維素材としてのメリットを生かし今後も開発を進めたい。
|