正方晶ZrO2を基質とするドープ材、複合材および無添加材を対象に、高速超塑性変形に伴う粒界損傷挙動と引張破断との関係を検討した。その結果、組成・組織やひずみ速度の相異によらず、変形中に粒損傷が生成・成長・合体し、微視き裂形成することで破断に至ることを確認した。また、組成・組織制御の効果がひずみ速度に強く依存して変化することが分かった。すなわち、1E-4~1E-3 /s域では通常超塑性を促進するような組成・組織制御が、1E-2 /s以上の高速度域では破断延性を低下させることが見出された。この変化は、この組成・組織制御が損傷発生に対して強いひずみ速度依存性をもたらすためと結論された。
|