研究課題/領域番号 |
25420709
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
中野 裕美 豊橋技術科学大学, 研究基盤センター, 教授 (00319500)
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研究分担者 |
鈴木 達 独立行政法人物質・材料研究機構, 先端材料プロセスユニット, 主席研究員 (50267407)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 構造・組成制御 / 蛍光体材料 / 配向異方性材料 / 高磁場 / TEM / ミリ波合成 |
研究概要 |
本研究は外部場を効率的に利用することにより原子レベルでの構造、組織制御した無機材料の創製と機能発現を目的とした。当初の計画に沿って研究概要を以下に示す。 1.Nb, Ta系の3元系~ 4元系固溶体における超構造形成領域の確認を電気炉で明らかにした。Nb系とは異なる範囲で、Ti添加量の多い領域で超構造を形成するが明らかになり、TEM,SEM,XRDにより明確にその構造比較を行った。それらの成果は、学術論文、国際会議、学会発表等により知見を報告した。またこの知見を、新蛍光体材料合成に活かすことができた。 2.電気炉で超構造を形成した組成で、ミリ波加熱による低温・短時間合成を行った。現在は引き続き、ミリ波の装置改良により、現在電場機能改善を行っているが、ミリ波の電場効果で得られた新知見は、学会(招待講演)で新知見を広く公表した。 3.新規蛍光体母体材料として、Ta系蛍光体ではNb系に比べ、特にEu添加の赤色蛍光体では効果的な母体材料であることがわかった。組成、添加量等を最適値にすることで、内部量子効率は90%を超える蛍光体合成に成功し、学術論文にその成果を発表した。また、新蛍光体材料の高い内部量子効率発現機構については、XRD-リートベルト解析により、Euサイトの配位環境が変化し、その対称性が低下することにより、高い発光強度発現したと結論付けた。 4.Nb系固溶体について、このユニークな構造を利用するために、高磁場中での配向材料創製を試みた。高い配向材料のためのスラリー、ボールミル条件を検討し、異方性バルク体の合成条件を見出すことができた。この結果は、26年の国際会議にても報告する。(一部は国内学会で報告した)。以上の結果を26年度に活かし、研究を継続する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初目的・計画に沿って、順調に進展し、成果は国内学会、国際学会、学術論文、招待講演等で、逐次新知見を公表し、予想以上の成果をあげることができた。 これにより上記の評価をした。
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今後の研究の推進方策 |
26年度については、25年度の結果をもとに材料設計、計画を行い、さらなる発展をめざす。 1.高発光強度を発現したTa系蛍光体材料については、共賦活剤の検討により更に発光特性向上をめざす。また、SEM,TEM,XRD等でより詳細な構造・組織解析を行い、材料設計にフィードバックしながら進める。 2.Li-(Nb,Sb)-Ti-O系での3元系から4元系の超構造発現領域を検討し、蛍光体母体材料としての可能性をさぐる。またNb系蛍光体との差異を明らかにし、Sb系イオン添加の役割、メリット、デメリットを明確にする。 2.ミリ波による低温・短時間合成の可能性をさぐり、電場効果を検証し、材料合成に有効活用する。 3.高磁場中で合成したNb系配向材料の電気特性異方性を測定し、構造・組成と物性との関連性を明らかにし、27年度のTa系配向材料設計にその結果を生かす。
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