研究課題/領域番号 |
25420712
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
寒川 義裕 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (90327320)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 窒化アルミニウム / パワーデバイス用材料 |
研究概要 |
都市生活を営む上で電力変換は必要不可欠である。例えば、火力・風力発電等から供給された交流(AC)電力が直流(DC)電力に変換され大規模演算サーバーやPC端末で使用されている。また、電気自動車やHV車では、蓄電池から供給されたDCをACに変換してモーターを駆動している。これらのAC-DC変換(電力変換)を行う際に、現在、シリコンパワーデバイスが用いられているが、変換効率が悪く約10~20%の電力エネルギーを熱として損失している。本研究では、電力変換の高効率化に資する次世代パワーデバイス用窒化アルミニウム(AlN)結晶の作製技術開発を目的としている。AlN結晶は従来のシリコン結晶よりも高耐圧、低オン抵抗を実現できる材料であり、この材料を用いることにより電力損失を5%程度にまで低減することが期待される。電力変換時の電力損失を低減させることにより、都市における電力需要の低減や電気自動車・HV車の航続距離の延長が期待される。 目的達成に向けて次の研究計画を予定している。[H25年度]その場観察を可能とする成長炉の開発。[H26年度以降]成長表面(固-液界面)のその場観察により成長プロセスの解明および新規AlN成長技術の確立を行う。H25年度は当初目標に沿って、その場観察装置の設計・製作を行った。装置設計を開始する前に、フラウンホーファー研究機構IISB(ドイツ)を訪問し、研究協力者と意見交換を行った。研究協力者との意見交換により得た情報を基にその場観察装置を設計し、製作を行った。H25年度は当初の研究計画の通り順調に進展している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
H25年度は以下の目標を設定していた:(1)研究協力者(フラウンホーファー研究機構IISB、ドイツ)との意見交換、(2)その場観察を可能とする成長装置の設計・製作。 (目標1)H25年4月下旬~5月上旬の期間、客員研究員(Guest Scientist)として当該機関を訪問し、研究協力者と意見交換および装置見学を行った。意見交換および装置見学により、その場観察用成長装置の設計・製作に関わる貴重な情報を得ることに成功した。 (目標2)ドイツから帰国後、装置を設計し製作に取り掛かった。H25年度内に装置の製作・搬入・設置までを完了した。 以上のように、当初の研究計画に沿って順調に進展している。また、研究協力者から得た装置設計に関する情報・指針は大変貴重なものであり、当初の予定を超えた装置設計・製作が可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画の通り、初年度(H25年度)にその場観察装置の設計・製作を終えることに成功した。H26年度以降も当初計画に沿って、装置の稼動・観察を行い、AlN結晶表面(固-液界面)における成長プロセスの解明および新規結晶成長技術の開発を遂行する。
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