研究実績の概要 |
初年度は、ミリ波通信用高Qかつ低誘電率特性を持つインディアライト粉を合成した。コーディエライト組成を持つガラスの結晶化により、粒径1μmのLTCC用のインディライト結晶粉を得た、二年目は、そのインディアライト微粉末を用いて、7種類の低温焼結助剤を添加してLTCC素地の作製を実施した。三年目は、この中から、目標値Q > 500(ミリ波帯), 誘電率 4-7をクリアーするものは、助剤4(1wt%B2O3+5wt%CuO)、助剤4-2(1wt% B2O3+3wt%CuO)、助剤6(1mol%LiBO2-2H2O+5mol%CuO)であった。B2O3-CuO二成分系状態図を検討したところ、二つの共融点の存在に着目した。B2Cu2O4-B2Cu5O6とB2Cu3O6-CuOサブ二成分系状態図にそれぞれ共融点e1(920oC)、e2(950oC)が存在した。これらの組成を低融点助剤として、LTCC材料を検討した。その結果、誘電率4.8、30,000GHzを越えるQf値を持つ材料を得た。CuOを含んだ化合物としてBi2CuO4を見いだした。この化合物とBi2O3の共融点は、770oCであったので、その共融組成(9mol%CuO,91mol%)を低融点助剤としてLTCC材料を検討した。誘電率4.8、20,000GHzを越える材料を得た。
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