研究課題
本研究は、量子ビーム応用技術を駆使し、高温高圧下での新規アルミニウム合金水素化物の探索を行い、その水素化反応機構を明らかにすることを目的とするものである。これまでほとんど報告の無いアルミニウム基合金水素化物の実現は水素貯蔵材料開発・金属水素化物の基礎物性解明に有効な知見を与えると期待される。アルミニウム合金水素化物の探索を進め、Al2Ca合金を出発物質として4 GPa, 600℃以上の高温高圧環境下で水素化物が合成できることを明らかにした。現在、結晶構造や水素化物の熱力学的安定性の評価を進めている最中である。これらの予備的な結果から、既に報告のあるカルシウムアラネートとは異なる結晶構造を有する新規水素化物が得られていることが確認されている。高温高圧下での金属水素化反応のXANES観察技術を確立するため、Al2Y合金の高温高圧XANES行った。YH2の生成に伴うY K吸収端のXANESプロファイルの変化を測定することに成功した。得られた結果は常圧近傍で観察されるYの水素化反応時のプロファイル変化と良く一致していて、目的とする技術が確立できていることが確認できた。単結晶アルミニウムの水素化反応を対象として、角度分散型放射光その場観察実験を行った。単結晶試料を出発物質とすることで、粉末試料を用いた場合と比較して、水素反応プロセスに変化が現れることを期待したが、その様な反応は観察されなかった。
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