研究課題
固体材料の結晶制御では、温度の時間変化が鍵をにぎっている。特に、単結晶から非晶質を得るためには、加熱-冷却時間をいかに短くできるかにかかっている。本研究では、従来まで実現できなかったフェムト秒の時間領域で金属表面の微粒子を加熱-冷却できる特徴に加えて、高エネルギー粒子線、高強光電場状態の金属表面に新しい結晶構造が作り出されている可能性が高い。この複雑にからんだ状態により作り出される結晶構造を精密に制御・形成するため、(1)フェムト秒レーザー加工による金属表面のナノ構造物形成(2)金属ナノ構造物の結晶評価(3)フェムト秒レーザー加工による金属ナノ構造物の結晶制御(4)非晶質化した金属ナノ構造物の組成分析(5)フェムト秒レーザー加工により金属表面から放出する荷電粒子のエネルギー測定(6)フェムト秒レーザー加工により金属表面から放出する荷電粒子の空間分布測定(7)非晶質化金属ナノ構造物の基盤構築に取組み非晶質ナノ構造物形成のための基礎データ収集と形成基盤を構築した。加えて、ナノ構造物の形成機構解明に取り組んだ。本研究成果によりナノ構造のサイズ、構造の向き制、及び非晶質性を独立に制御できるレーザー照射条件を明らかにした。本課題でえらられた成果に加え、周期構造形成の下限フルーエンスが金属材料の仕事関数が関係していることを、これまでに報告されてきた下限閾値を編纂することにより明らかにしフェムト秒レーザーによる微細加工及び非晶質化の基盤を築いた。
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