これまでに、生分解性マグネシウム合金の腐食速度制御のために水酸アパタイト(HAp)およびリン酸八カルシウム(OCP)被膜を開発した。本研究では、高分子とリン酸カルシウム(Ca-P)被膜との複合化による基材Mg合金の局部腐食の抑制を目的とした。当初用いたポリ乳酸(PLLA)およびポリカプロラクトン(PCL)は疎水性のため、親水性のCa-P被膜との良好な接着が得られず、高分子層の下側で腐食が進行した。親水性高分子(HPpolym)との複合化では、Ca-P被膜のみの場合よりも若干耐食性が低下した。しかし、HPpolymのみをMg合金に被覆すると細胞培養液中での耐食性が向上するという発見があった。
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