研究課題/領域番号 |
25420755
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石本 卓也 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50508835)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 骨力学機能 / 配向化 / オステオサイト / 機能適応 / 骨質 / 応力場 |
研究概要 |
応力場を用いた骨質制御による骨力学機能化の達成のため、① オステオサイト(骨中で応力感受を担うとされている細胞)を介した応力による骨結晶集合組織の改変機構の解明、② 応力を用いたin vivo での配向性・骨力学機能の人為的制御を両輪とし、研究を実施している。 平成25年度は、骨に負荷する応力(ひずみ)を定量的に増減させた動物モデルを作製した。除荷モデルは、下肢の神経切除により作製した。人為的負荷は、金属疲労試験機ならびにラット前肢を用いて構築し、さらに、負荷中のひずみ値のin vivoひずみゲージ貼付による直接的・定量的検出に成功した。本負荷モデルを用い、負荷パラメータ(荷重モード、荷重[N]、周波数[Hz]、負荷時間[min/day]、負荷期間[week])を検討することで、骨配向化を可能とする荷重条件を見出した。さらに、ひずみ量に依存した配向化を既に確認した。 オステオサイトの異方的応力感受に基づくとの仮説を立てていることから、オステオサイトの応力感受性評価指標について、生物学的観点と幾何学的観点にて検討した。次年度計画を前倒しし、負荷条件を人為的に変化させていない正常な骨組織において、直接応力感受を担うオステオサイトの骨細管を蛍光色素導入と共焦点レーザー顕微鏡を駆使しつつ可視化し、その本数や応力軸との方位関係を定量的に解析することに成功した。骨部位に依存してオステオサイト形態は連続的に変化することを明らかとした。次年度は、人為的に負荷状態を変化させたモデルにおいて、応力に対するオステオサイトの応答、さらにはアパタイト配向性の変化について定量的に関連性を解明する計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
最終目標である、「負荷応力-応力に応答したオステオサイト挙動-結果としてのアパタイト配向性」の定量的関連性の構築、ならびに、骨の機能適応を司ると考えているオステオサイトの応力に対するレスポンス機構の理解に向けて、順調に計画を遂行している。特に、オステオサイト骨細管の可視化と定量解析の達成については計画を前倒しして達成しており、1年目としての当初計画を上回る進展があったと自己評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度に得た知見に基づき、当初計画通りに研究を遂行する。確立した骨配向化のための最適化負荷条件を用いて負荷実験を実施し、オステオサイトのレスポンスや骨配向性の変化を定量的に解析する。ひずみ-配向性関係図の構築、配向性を上昇させるひずみ領域(ポジティブ制御領域)、低下させるひずみ領域(ネガティブ制御領域)、一定に維持する領域の有無、そしてそれらの境界ひずみ値(閾値)を決定する。最終的には本負荷法を疾患骨や再生骨に適応し、異常をきたした骨組織の健全化に対する、応力場印加の有効性について検討する。
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