ラット長管骨への繰り返し力学負荷モデルを用い人為的かつ定量的な一軸荷重を骨に負荷し、骨の適応的変化を解析した。負荷量に応じて、骨質指標として注目している生体アパタイトの優先配向度が変化し、それにともない骨の力学機能が変化した。すなわち、応力場の負荷を起点とした骨質の変化による骨力学機能の最適化に成功した。本研究は、外的力学刺激による骨機能制御法の基礎を築くとともに、従来、骨量の変化でしか議論されてこなかった骨機能適応現象を、骨質、とりわけ骨の異方性微細構造の点から明らかとし、臨床、基礎の両観点から有意義な成果を得た。
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