現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
回分式処理試験を実施し、Mgの酸化溶解とMg(OH)2の析出の基本現象は、ある程度定量評価できた。得られた沈殿物の性状や組成等の解析においては、洗浄方法や乾燥方法の検討を行ってEPMAやXRDで解析を進めて除去機構の解明を行ったが、水分と多量のMg(OH)2に対し除去対象物質が非常に少なく、除去機構の解明が不十分であった。 各種除去対象物質(B,Zn,Cr(III),Cr(VI),As(III),As(V)等)を取り上げて、構築した反応解析モデルを用いて、除去挙動を調査したが、Niメッキ洗浄排液のNi,Bの除去と除去機構解明に時間を要したため、Znの検討までしか行かず、Cr(III),Cr(VI),As(III),As(V)等の除去対象物質まで手が回らなかった。 反応解析モデルで条件を絞り込んだ上で、Mg表面での反応の定量評価、Niの回分式処理試験と同様の実験を実施し、必要な速度因子の値を取得し、大量の排液を効率的に処理するには、処理の連続化が必要になるので、トルクメーターで得られたトルクより撹拌動力を求めた。熱力学的平衡状態計算ソフトFactSageを用いてpHとNi,B,Mgイオン濃度の関係、B,Mgの形態の検討を行った結果、実験結果とよく一致が見られたが、計算から予想される生成物の確認はできなかった。 メッキ液に共存するNiとBの共存の影響、B除去に及ぼすMgCl2といった処理助剤の影響についても模擬洗浄水を設定し試験を行い、除去対象物質及び共存種による除去挙動の違いはわかったが、理由を明確にすることができていない。また未知物質について、速度因子の値の迅速な取得方法を提案できなかった。
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