H27年度は、流動層流動特性モデルのモジュール化と集積化の検討を実施した。 昨年度までの等価回路モデル化により得られたモデルのモジュール化について、集積化、システムのスケールアップ、起動・停止の挙動解析を検討し、モデルによる再現を試みた。また、SPICEによる計算結果をもとに再現性を評価した。三塔式循環流動層型の反応器からなるエクセルギー再生型石炭ガス化炉システムについてモデルの構築を行い、流動特性の実験結果と比較を実施した。さらに、等価回路モデル化手法の計算量について評価した。 循環流動層を構成している流動層についてそれぞれを等価回路モデル化(モジュール化)し、その結合により集積化できることを示した。また、この集積化により得た三塔式循環流動層の流動特性モデルを用いて、実験結果との比較からモデルの流動特性再現性が妥当であること、さらにこのモデルの起動・停止における解析を実施した。 研究期間全体を通じては、流動層の流動特性を等価回路モデルとして記述できることを実験結果との比較を行い示した。得られたモデルを結合することでより複雑な特性を表現できること、さらに、動的特性も表現できることを示した。これらの等価回路モデルを解析するために用いたSPICE処理系では、演算時間においてCFDによる流動層の流動解析に比較して短時間であった。実験結果をもとにも三塔式循環流動層を等価回路モデルの集積化によりモデル化を実施し、その起動・停止を想定した動的な特性をSPICEによる計算結果より得た。その動的特性結果をもとに粒子循環量の制御方法としてパルス状のガス供給を用いる手法を提案した。
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