疎水性引力は、疎水性の表面間に長距離から強い引力が働く特異な現象であり、液中の微粒子の分散挙動に重要な影響を及ぼす。本研究では、原子間力顕微鏡を用いた直接測定により、これまで原因とされてきたナノバブルの表面架橋がなくても疎水性引力が働くことを示した。また疎液化した表面間にも有機溶媒中で疎水性引力と同様の引力を観測し、疎水性引力が水に固有の引力ではなく、他の溶媒でも「疎液性引力」が普遍的に存在することを示した。これらにより引力の発生起源を推定し、表面のサイズなどの条件で起源が異なることを明らかにした。
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