本研究では、多孔質SUS支持体へ複層化した中間層を導入することで耐久性を高めたPd系薄膜の創製をめざした。具体的には、中間層としてミクロ孔をもつシリカライト層上にメソポーラスシリカ層の形成をめざしたが、強度が不十分であった。そこで、耐久性を向上させるため、メソポーラスシリカ層もしくはシリカライト層上にメソ孔をもつアルミナ層を載せた中間層の形成を行った。結果、高い水素パーミアンスを示すメソポーラスシリカ層をもつPd膜と、室温でヘリウムを透過しないシリカライト層をもつPd膜が得られた。よって、水素パーミアンスと水素選択率の両者を制御する手法として、複層化した中間層の導入が有効であることが示された。
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