研究課題
各種二次電池の革新的な性能向上が期待できる高圧力状態での各種電池性能に関する基礎研究を進めた.鉛蓄電池に関しては,100MPa程度までの静水圧の高圧力を達成できる実験装置を製作し,高圧力下で充放電させた.その時の初期化成,充放電速度,耐久性などすべての二次電池の性能において高圧力が非常に有効であることを見出した.その理由は,高圧力による系のエントロピー低減で,電極の活物質の緻密化や微細化,再結晶化などが良くなるためであった.そして,晶析操作に対応させて,電極上の活物質の核発生と成長速度もモデルで,高圧力による充放電速度を再現できるようにした.次に,ニッケル水素電池に関しては,10MPa程度までの各種高圧力ガス下で市販電池を充放電させて,3MPa程度でも高速充放電の性能が3倍程度まで向上することを明らかにした.さらに,実用的に高圧力ガスを利用するため,各種高圧力ガス中での保管,各種高圧力ガスによる再生の研究を進め,ニッケル水素電池の電極活物質は,高圧力窒素ガスで維持することにより,溶媒媒介転移で結晶形が大きく変化し,二次電池性能が向上することを明らかにした.最後に,リチウムイオン電池に関しては,10MPa程度までの高圧力窒素ガス下で市販電池を保管し,高速充放電のサイクル寿命に対する高圧力窒素ガスの影響について研究した.高圧力であるほど,保管時間が長いほど,リチウムイオン電池の高速充放電性能が向上することを明らかにした.
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件)
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