機能性リン脂質ホスファチジルイノシトール(PI)の高純度合成を目的とし、リン脂質変換酵素であるホスホリパーゼD(PLD)の蛋白工学的改変を行った。基質ポケットに変異を導入した変異酵素から、PIを位置選択的に与える変異酵素を同定した。また,PLDの不安定ループを除去することで、安定かつ高選択性を併せ持ったPLDの作出にも成功した。さらにPIの収率を高める為に酵素反応条件を詳細に検討し、反応系に高濃度のNaClの添加という極めて単純な方法でPI収率を飛躍的に高める事に成功した。さらに、反応後の副生物であるホスファチジン酸を分解する酵素を探索し、適した酵素を産生する微生物を同定した。
|