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2014 年度 実施状況報告書

過酸化チタン・ナノ粒子とX線照射の併用による細胞損傷促進機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25420831
研究機関神戸大学

研究代表者

荻野 千秋  神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00313693)

研究分担者 佐々木 良平  神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (30346267)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード過酸化チタン / ナノ粒子 / 放射線照射 / がん細胞損傷
研究実績の概要

市販二酸化チタンナノ粒子であるTiO2(STS-01)を原料とし、ポリアクリル酸(PAA)と混合し、水熱処理することでポリアクリル酸二酸化チタンナノ粒子(PAA-TiO2)を作製した。これに過酸化水素を加えて過酸化することで、ポリアクリル酸修飾過酸化チタンナノ粒子(PAA-TiOx)を作製した。これら2つのナノ粒子と過酸化水素を培養細胞(HeLa細胞及びMIAPaCa-2細胞)に添加し、24時間後、WSTアッセイを用いて細胞生存率の測定を行った。未処理の細胞群と比較すると、両方の細胞株において、PAA-TiO2およびPAA-TiOx粒子0.1 mg/mlにおいてほとんど毒性を示さなかった。また高濃度の添加においては、PAA-TiO2よりもPAA-TiOxで高い細胞毒性を示した。これは、PAA-TiOxの表面に存在していた過酸化水素が細胞内に導入されたことに起因していると考えられる。
同様に、培養細胞にPAA-TiO2及びPAA-TiOxナノ粒子を添加、24時間後にX線照射を行い、そのさらに24時間後にWSTアッセイを行い、細胞生存率を測定した。細胞ダメージに対する感受性の低いHeLa細胞では、PAA-TiOxとX線の相乗効果はさほど見られなかった。感受性の高いMIAPaCa-2細胞では、PAA-TiOx 0.1 mg/mlとX線照射では相乗効果が見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2年次に計画していた研究項目をおよそ達成できているため。

今後の研究の推進方策

次年度は最終年度であり、これまでの実績をベースにヌードマウスでの評価を実施する計画であり、おおむね、研究計画に則って実施できていると判断する。

次年度使用額が生じた理由

次年度のマウス購入費としての研究計画に従って、繰り下げた。

次年度使用額の使用計画

研究計画に従い、マウスの購入費として計上する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Mutation of arginine residues to avoid non-specific cellular uptakes for hepatitis B virus core particles.2015

    • 著者名/発表者名
      Mohamed suffian, I.F., Nishimura, Y., Morita,K., Nakamura-Tsuruta, S., Al-Jamal, K.T., Ishii, J., Ogino, C., Kondo, A.
    • 雑誌名

      Journal of Nanobiotechnology

      巻: in press ページ: 0-0

    • DOI

      10.1186/s12951-015-0074-8

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] A display of pH-sensitive fusogenic GALA peptide facilitates endosomal escape from a bio-nanocapsule via an endocytic uptake pathway.2014

    • 著者名/発表者名
      Nishimura, Y., Takeda, K., Ezawa, R., Ishii, J., Ogino, C., Kondo, A.
    • 雑誌名

      Journal of Nanobiotechnology

      巻: 21(1) ページ: 11-11

    • DOI

      10.1186/1477-3155-12-11

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Advances in the engineering of bio-nanoparticles for drug delivery.2014

    • 著者名/発表者名
      Nishimura, Y., Ishii, J., Ogino, C., Kondo, A.
    • 雑誌名

      Journal of Biomedical Nanotechnology

      巻: 10(9) ページ: 2063-2085

    • DOI

      http://dx.doi.org/10.1166/jbn.2014.1951

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 担癌マウスへのTiナノ粒子投与による生体内分布2015

    • 著者名/発表者名
      鈴木貴弘、田野亜都里、森田健太、荻野千秋、近藤昭彦
    • 学会等名
      第17回化学工学会学生発表
    • 発表場所
      徳島大学常三島キャンパス
    • 年月日
      2015-03-07
  • [学会発表] 放射性がん治療との併用に向けたか酸化チタンナノ粒子の物性評価2014

    • 著者名/発表者名
      森田健太、田野亜都里、鈴木貴弘、沼子千弥、宮嵜世里加、佐藤和好、仲山雅央、佐々木良平、荻野千秋、近藤昭彦
    • 学会等名
      生物工学若手研究者の集い夏のセミナー
    • 発表場所
      神戸セミナーハウス
    • 年月日
      2014-07-12 – 2014-07-13
  • [学会発表] 上皮成長因子受容体を特異的に認識するAffibody提示バイオナノカプセルの開発2014

    • 著者名/発表者名
      江澤僚将、西村勇哉、石井純、荻野千秋、近藤昭彦
    • 学会等名
      生物工学若手研究者の集い夏のセミナー
    • 発表場所
      神戸セミナーハウス
    • 年月日
      2014-07-12 – 2014-07-13

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公開日: 2016-05-27  

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