研究課題
市販二酸化チタンナノ粒子であるTiO2(STS-01)を原料とし、ポリアクリル酸(PAA)と混合し、水熱処理することでポリアクリル酸二酸化チタンナノ粒子(PAA-TiO2)を作製した。これに過酸化水素を加えて過酸化することで、ポリアクリル酸修飾過酸化チタンナノ粒子(PAA-TiOx)を作製した。これら2つのナノ粒子と過酸化水素を培養細胞(HeLa細胞及びMIAPaCa-2細胞)に添加し、24時間後、WSTアッセイを用いて細胞生存率の測定を行った。未処理の細胞群と比較すると、両方の細胞株において、PAA-TiO2およびPAA-TiOx粒子0.1 mg/mlにおいてほとんど毒性を示さなかった。また高濃度の添加においては、PAA-TiO2よりもPAA-TiOxで高い細胞毒性を示した。これは、PAA-TiOxの表面に存在していた過酸化水素が細胞内に導入されたことに起因していると考えられる。同様に、培養細胞にPAA-TiO2及びPAA-TiOxナノ粒子を添加、24時間後にX線照射を行い、そのさらに24時間後にWSTアッセイを行い、細胞生存率を測定した。細胞ダメージに対する感受性の低いHeLa細胞では、PAA-TiOxとX線の相乗効果はさほど見られなかった。感受性の高いMIAPaCa-2細胞では、PAA-TiOx 0.1 mg/mlとX線照射では相乗効果が見られた。
2: おおむね順調に進展している
2年次に計画していた研究項目をおよそ達成できているため。
次年度は最終年度であり、これまでの実績をベースにヌードマウスでの評価を実施する計画であり、おおむね、研究計画に則って実施できていると判断する。
次年度のマウス購入費としての研究計画に従って、繰り下げた。
研究計画に従い、マウスの購入費として計上する。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (3件)
Journal of Nanobiotechnology
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http://dx.doi.org/10.1166/jbn.2014.1951