研究実績の概要 |
我々が構築した無機-有機ハイブリッドナノ粒子であるポリアクリル酸修飾過酸化チタンナノ粒子は放射線で励起可能であり、すでに特許も成立している(特許 2010-032055, 米国:US 8, 580, 312, B2)。 本ナノ粒子は放射線増感効果を持ち、純水中に放射線照射した場合に対して数倍~数十倍のラジカルを生成する。そのため、担がんマウスを用いたin vivo毒性試験では、粒子単体の毒性は無く、粒子と放射線照射を併用した場合にのみ抗腫瘍効果が認められている。さらには、粒径に応じてがん組織への特異的相つの傾向も悪人する事が出来た。 さらに、ナノ粒子キャリアとしてB 型肝炎ウィルス表面抗原タンパク質からなる中空粒子“バイオナノカプセル(BNC)”の作製に成功しており、この粒子を改変することでヒト肝細胞やすい臓がん細胞へ薬剤の特異的な導入に成功している(Y. Nishimura, et al., J. Nanobiotechnology, 2013)。 今後は、これらの研究成果を活用することで、過酸化チタンナノ粒子【=ハイブリナノ粒子】をBNCに包含して“スーパー”ハイブリナノ粒子とすることで、静脈注射を用いた非侵襲的な腫瘍送達が可能となると期待される。
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