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2013 年度 実施状況報告書

複合リポソームを用いたがんワクチンの創製に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25420842
研究種目

基盤研究(C)

研究機関崇城大学

研究代表者

後藤 浩一  崇城大学, 生物生命学部, 教授 (30279377)

研究分担者 上岡 龍一  崇城大学, 生物生命学部, 研究員 (70099076)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード癌 / ワクチン / リポソーム / 免疫
研究概要

本研究では、ベシクル分子とミセル分子からなる複合リポソーム(ハイブリッドリポソーム)を用いた新しいがんワクチンの創製を目的としている。がん細胞で分泌される糖鎖修飾率の低いムチンMUC-1コアタンパクのペプチド抗原と、獲得免疫を担うT 細胞の活性化副シグナル分子である膜タンパクB7-1(CD80)リガンドをハイブリッドリポソームに組み込んだリポソームがんワクチンを創製し、細胞レベルおよび動物レベルでのがん特異的免疫誘導機能を検討する。まず、B7-1組換え膜タンパクを得るために、マウスBリンパ腫瘍細胞(A20細胞)のmB7-1cDNAを動物細胞発現用の市販プラスミドに組み込んだ組換えプラスミドpcDNA3.1/Hygro(+)/mB7-1を、無血清培地にアダプテーションされたチャイニーズハムスター卵巣由来CHO細胞にトランスフェクションし、選択試薬としてハイグロマイシンBを用いて培養した後、FITCハムスター抗マウスCD80抗体と抗FITCマイクロビーズで磁気細胞分離法により分離したmB7-1発現CHO細胞を培養した。mB7-1発現CHO細胞は、フローサイトメトリーの測定より96.5%の高いmB7-1発現率を示し、mB7-1高発現のCHO安定細胞株を得ることができた。本細胞を大量培養し、Triton X-100を用いて溶解したmB7-1発現CHO細胞の膜タンパクサンプルを、抗マウスCD80抗体をカップリングさせた担体のアフィニティークロマトグラフィーで処理した。得られたフラクション中のmB7-1をSDS-PAGEとウエスタンブロティングにより確認し、純度の高いmB7-1組換え膜タンパクが得られたことが明らかとなった。また、Fmoc固相法によりヒトムチンMUC-1のアミノ酸配列を持つペプチドを合成し、HPLCを用いて精製してMUC-1抗原ペプチドを得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究では、上皮性のがん細胞に分泌されるムチンMUC-1の抗原ペプチドとT細胞の活性化副シグナル分子であるB7-1の組換えタンパクを複合リポソームに組み込んだがんワクチンの創製を目的としている。平成25年度は、その素材となるmB7-1組換え膜タンパクとヒトムチンMUC-1のオリゴペプチドを得ることができたため、今後、これらを用いて複合リポソームを調製し、免疫賦活効果を実験することができる。

今後の研究の推進方策

平成26年度は長期海外研修のため、平成27年度に複合リポソームワクチンのin vitro免疫細胞賦活化実験とin vivo動物治療実験を行う。in vitro実験では、末梢血単核細胞等の免疫担当細胞を用い、複合リポソームワクチンによる免疫賦活化効果について細胞レベルで検討する。in vivo実験では、複合リポソームワクチンを接種したマウスを用い、がん細胞に対する治療効果について動物レベルで検証する。

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公開日: 2015-05-28  

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