本研究では、リン脂質DMPCと非イオン性界面活性剤Tween 80からなるハイブリッドリポソームにムチンMUC-1の合成抗原ペプチドとT細胞活性化の組換え膜タンパクmB7-1を組み込んだ複合リポソーム(HL-MUC-1/mB7-1)を創製し、がん免疫誘導機能を細胞レベルおよび動物レベルで検討した。HL-MUC-1/mB7-1を投与したマウスのCD8+ T細胞は、in vitroにおいて、乳がん細胞に対する細胞傷害活性が増大する傾向が見られ、さらに、HL-MUC-1/mB7-1を投与したマウスに乳がん細胞を移植したところ、延命効果が観測され、新しいリポソームワクチンの可能性が示唆された。
|