研究課題/領域番号 |
25420847
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
舩津 賢人 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (50323332)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ケイ素系超高温耐熱材料 / 分光計測 / 高エンタルピー流 / アブレーション / 炭化ケイ素 / 極超音速反応性流体力学 / 高速高温流体力学 / 航空宇宙工学 |
研究実績の概要 |
本研究は、高エンタルピー流中の損耗が炭素系材料に比べ著しく小さいケイ素系超高温耐熱材料に着目し、気流と材料損耗の相互作用に関わる未解明の極めて強い発光現象に焦点をあてる。本研究課題の目的は、「先進的な空間的時間的発光分光計測技術により、化学種同定や温度推定を行い、高精度空力加熱予測に大いに関与する極めて強い発光現象を解明すること」である。 平成27年度の研究実績の概要は次の通りである。(1)継続的に参照データとしてプラズマフリージェットなどの発光現象と高速度ビデオカメラの間に二波長分光光学系を設置し、空間的時間的な二波長分光画像を取得した。(2)平成25~26年度に引き続き、高エンタルピー流中のケイ素系超高温耐熱材料の加熱試験における強い発光現象を複数の波長フィルターと汎用ビデオカメラにより空間的時間的な発光強度分布(二波長分光画像)を取得した。これらの発光強度分布の強度比からケイ素系超高温耐熱材料の見かけの表面温度分布を推定した。プラズマフリージェット中のケイ素系超高温耐熱材料の見かけの表面温度分布は2,000K~3,000K であり、分光計測から得られた局所的な表面温度と同程度であった。(3)高エンタルピー流中のケイ素系超高温耐熱材料の加熱試験における強い発光現象を二波長分光光学系により空間的時間的な発光強度分布(二波長分光画像)を取得した。局所的ではあるが、これらの発光強度比から見かけの表面温度を推定することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の研究実績は「研究実績の概要」に記載した通りであり、本研究課題の現在までの達成度は、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の「今後の研究の推進方策」は、平成25年度、平成26年度、平成27年度の研究実績を踏まえ、平成28年度は、平成27年度の研究実施計画(継続的なデータ取得とシステムの改善、温度推定のための計算機プログラムの開発、計測システムの実証試験、物理化学モデルの構築など)を踏襲、発展させ、それに沿って着実に研究を遂行する。さらに、補助事業の目的をより精緻に達成するため、追加実験(高エンタルピー流中のケイ素系超高温耐熱材料周りに生ずる極めて強い発光現象の非定常計測)を精力的に行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
補助事業の目的をより精緻に達成するための研究の実施であり、具体的には以下の理由による。(1)当初計画を効果的に進めた結果、補助事業の目的をより精緻に達成するため、追加実験(高エンタルピー流中のケイ素系超高温耐熱材料周りに生ずる極めて強い発光現象の非定常計測)を行う必要が生じた。(2)本事業の研究成果を追加で国内外の関連学会等において発表することや論文を投稿する必要が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度の研究経費は、「今後の研究の推進方策」に記載した通りであり、着実に執行していく。
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