研究実績の概要 |
本研究は、高エンタルピー流中の損耗が炭素系材料に比べ著しく小さいケイ素系超高温耐熱材料に着目し、気流と材料損耗の相互作用に関わる未解明の極めて強い発光現象に焦点をあてる。本研究課題の目的は、「先進的な空間的時間的発光分光計測技術により、化学種同定や温度推定を行い、高精度空力加熱予測に大いに関与する極めて強い発光現象を解明すること」である。 平成28年度の研究実績の概要は次の通りである。(1)継続的に参照データとしてプラズマフリージェットなどの発光現象と高速度ビデオカメラの間に二波長分光光学系を設置し、空間的時間的な二波長分光画像を取得した。(2)平成25~27年度に引き続き、高エンタルピー流中のケイ素系超高温耐熱材料の加熱試験における強い発光現象を複数の波長フィルターと汎用ビデオカメラにより空間的時間的な発光強度分布(二波長分光画像)を取得した。これらの発光強度分布の強度比からケイ素系超高温耐熱材料の見かけの表面温度分布を推定した。プラズマフリージェット中のケイ素系超高温耐熱材料の見かけの表面温度分布は2,000K~3,000K であり、分光計測から得られた局所的な表面温度と同程度であった。(3)高エンタルピー流中のケイ素系超高温耐熱材料の加熱試験における強い発光現象を二波長分光光学系により空間的時間的な発光強度分布(二波長分光画像)を取得した。二種類の波長フィルターを透過後の発光強度に大きな差異がある際には、一部、受光素子の感度範囲内(ダイナミックレンジ内)で発光強度を検出できない場合があることがわかった。
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