宇宙展開構造用途として,加熱機構を組み込んだ形状記憶複合材料システムを提案し,展開性能を材料に付与する温度分布を通じて制御可能であることを実験および有限要素解析を用いて実証した.加熱により形状変化が生じる繊維強化形状記憶複合材料の有する粘弾性特性(温度依存特性)を利用した.加熱パターンに応じて展開率や展開に必要な時間が変化することを実験的に示すとともに,非定常熱伝導解析と材料の粘弾性解析により,展開時間を考慮した展開特性の予測手法を確立した.また,三層モデルを用いたシェル要素シミュレーションを構築し,薄膜複合材料の特性を考慮して展開ダイナミクスを高精度に解析できることを示した.
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