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本研究は、超音速機の空力特性向上に向けて、衝撃波と放電プラズマとの干渉による流れ場変調効果理解を目指して遂行されたものである。特に、衝撃波マッハ数と放電投入電力を独立に制御したパラメトリックな実験を行い、併せて現象理解のための数値解析も遂行することで、多面的な現象理解を目指した。
前年度までの、衝撃波管及び放電装置の準備と性能確認実験により、安定した伝播マッハ数の衝撃波を生成可能であること及び、放電電力計測が可能であることが確認されている。
本年度の実験では、高時間分解での衝撃波到来検出方法の構築と計測を行い、放電場通過による衝撃波の加速現象の定量的計測に挑戦した。更に、衝撃波伝播マッハ数を固定して、放電投入電力を変化させるパラメトリックな実験を展開し、衝撃波と放電場との干渉現象についての、放電投入電力依存性を明らかにすることに成功した。従来の同種の実験においては、実験装置の関係から衝撃波マッハ数と放電投入電力が相関を持っていたため、従来の結果に基づく純粋な投入電力依存性についての議論には疑問点が残されていた。本研究成果はそのような疑問点に答えうるものであり、本研究により重要な知見が得られたと考えられる。
併せて行った数値解析では、実験では計測不可能であった、放電場を衝撃波が通過することにより発生する圧縮波または膨張波が引き起こす波動干渉の効果についても知見を得ることができ、実験で計測される圧力履歴には、波動干渉の効果が反映されることが示された。
今後はこれらの知見を基に更に、現象理解を深め、当該技術の実機応用に貢献することが期待される。
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