X線天文衛星や赤外天文衛星では極低温に冷却された高感度検出器を使用して観測が行われる。この開口面から入射する熱輻射が衛星に搭載された冷凍機の熱負荷になる。冷凍機の冷却能力が限定される衛星ではこの熱負荷の抑制が重要な課題である。 入射される熱輻射を抑制する事を目的として、光線追跡法を使ったバッフル付きパイプ型輻射シールドの設計法を研究した。この設計法の実証実験を行い、開口面からの熱輻射を抑制できることを示した。この研究成果を低温重力波望遠鏡のパイプ型シールドの設計に応用し、開口面から極低温に冷却された干渉計鏡への入熱を2桁以上低下させることに成功した。
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