パーティクル・フィルタを宇宙システムのロバスト制御に応用しようという研究であり、ロバスト制御の分野を発展させうる極めて独創的な意義をもつ。最も重要な成果として、まず現状のロバスト制御の問題点を明確にし、ノミナル性能の劣化などの課題を識別した上で、パーティクル・フィルタ理論がこれらの課題を解決しうる特性を有することを明らかにした。次に、パーティクル・フィルタ理論を定式化し、この理論を実システムに適用するための課題として、演算時間や演算の非連続性などを抽出した。これらをふまえて、この理論を宇宙システムの簡単化した動特性モデルに適用し、その有効性を数値シミュレーションなどにより示した。
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