研究課題/領域番号 |
25420861
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
井上 順広 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (80251677)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 熱交換器 / 低GWP冷媒 / 細管 / 凝縮 / 蒸発 / 熱伝達 / 圧力損失 / アルミニウム |
研究概要 |
本研究では、冷凍空調分野でもまだ十分な伝熱実験が行われていない温暖化係数の小さい低GWP冷媒および管内径3mm~4mm程度の細径伝熱管を用いて、LNG船における積荷のLNG自己蒸発潜熱や船舶機関からの低温廃熱回収にも利用可能なコストを低減できる総アルミニウム製の高性能熱交換器の開発に寄与するための凝縮・蒸発伝熱特性および圧力損失について実験を行い、冷凍空調機器や船舶機関システムへ適用可能な総アルミニウム熱交換器の熱的設計、高性能化に資する知見を得ることを目的として行っている。本年度は、実験の立ち上げである実験装置の製作と測定系の検定を主に、液単相および圧力損失の実験データ取得を目標に研究を行った。具体的に以下の項目について行った。 (1)文献収集・整理およびまとめ (2)実験装置および測定系概要の計画と設計 (3)各種測定機器等の最終選定と発注 (4)実験装置および配管系の製作 (5)凝縮・蒸発試験伝熱区間の製作 (6)熱電対・測温抵抗体・流量計等の検定および予備実験 (7)高沸点冷媒(R245fa)の液単相実験の設定各種パラメータ・実験条件の検討 (8)液単相および圧力損失の各種実験条件による実験 (9)実験装置運転上の不具合の検討、調整と手直し作業 (10)初期実験データの解析および考察 (11)再現性の確認実験 (12)関連発表論文の作成・発表等 (13)初年度総括および科学研究費補助金交付申請書・中間報告書の作成
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年計画の1年目である今年度は、実験装置の製作、測定系統の構築を行い、次いで温度・圧力・流量測定の検定などの予備実験、安全性(可燃性冷媒が洩れた場合)の確認を行うことを主目標に行った。また、実験目標として同時にアルミニウム伝熱管の壁面温度の測定方法を確立するためにR245faなどの高沸点冷媒の液単相実験にて各種内面溝付アルミニウム管の測定を行い、銅管との比較によりその相違等を明確にすること、さらに液単相での平滑管・各種溝付管および細管の伝熱特性を明確にすることとしていた。実験装置の立ち上げおよび測定系の確認に時間を要したが、現在は順調に実験データの取得ができており、3か月程度の遅れで7月前には初年度の目標項目は達成できる見込みである。
|
今後の研究の推進方策 |
現在は順調に信頼性のある実験データの取得ができており、先ずは1年目の実験目標を達成し、引き続き以下の2年目の実験計画を順次進める予定である。最初に予備実験により再現性の確認、実験範囲を確定する。本実験(再現性の確認を含む)で平滑管・各種溝付管および細管の凝縮・蒸発熱伝達特性および圧力損失について実験・解析を行い、実験結果の比較による管径、冷媒等の相違、これまでに提案した熱伝達および圧力損失の予測式の適用可否、R245fa、その混合冷媒の平滑管・各種溝付管および細管の相違、各種溝仕様(リード角、フィン高さ、条数)の凝縮・蒸発熱伝達係数および圧力損失に及ぼす影響などについて明確にする。そして、最終的に熱交換器の熱的設計に有用なR245fa、その混合冷媒のアルミニウム製の平滑管・各種溝付管および細管に適用可能な単相・凝縮・蒸発熱伝達および圧力損失に関する予測式を提案する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
人件費・謝金(外国語論文校閲)およびその他(依頼文献複写費・研究成果投稿料)として支出を予定していたが、今年度は本使途の事由が発生しなかったため。 次年度の人件費・謝金(外国語論文校閲)およびその他(依頼文献複写費・研究成果投稿料)に繰り越して、使用する予定である。
|