研究課題
浮体式洋上風力発電施設については,海洋再生可能エネルギーの中で採算可能性が高くまたエネルギーポテンシャルも高いとされ注目を集めている.世界的にも実用化に向けた活発な研究が行われており,一般に風車の発電効率の観点では浮体が波浪中においてあまり動揺しないことが求められている.本研究課題では,水中プラットフォームという新しい概念を提案し,それにより応答の低減を図れることを示すことを目的とした。H25年度は複数の浮体式風車を水中でつなぐ水中プラットフォームの概念を提案し,十分な復原力を有する重心範囲などの工学的な可能性について検討を行い,一部浮体による模型実験および数値解析から応答減衰の可能性を示した.H26年度には,対象物体が柔軟構造物になることから,2次元水槽を用いて,水中プラットフォームの長手方向に対する流力弾性応答に関する模型実験および数値解析を行い,その応答が無視できない程度に大きいことを確認した.H27年度には3つのタワー部を有する縮尺模型を製作し,平面水槽において水槽実験を行い,水中プラットフォームによる風車部の波浪中の応答低減効果について3次元的に検討を行った.その結果,水深50mに設置された水中プラットフォームに搭載されるタワー部分の応答に着目すると,波向きによらず波浪中応答が浮体単体の運動に比して,少なくとも40%以上,多いときには75%近く低減することを確認した.水中プラットフォームの設置深度と応答の関係については,数値解析でも想定されたように,どの波向き状態でもタワー部,浮体全体としての応答のいずれを見ても,数分の1まで応答が抑制されることが確認された.水中プラットフォームの全長を長くし,両端部には風車となるタワー部を設置しないことで,水中プラットフォームに繋がっているタワー型浮体式洋上風車の応答抑制効果は発揮されることが示唆された.
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日本船舶海洋工学会 H27年度春季講演会講演論文集
巻: 未定 ページ: 未定
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Proc.International Conf. of OMAE 2016
ASME 2015 34th International Conference on Ocean, Offshore and Arctic Engineering
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The Proceedings of The Twenty-fifth (2015) International OCEAN AND POLAR ENGINEERING CONFERENCE
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http://er-web.jmk.ynu.ac.jp/html/MURAI_Motohiko/ja.html