研究課題/領域番号 |
25420867
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
新宅 英司 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50263728)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 船舶機関室 / 補機システム / 維持管理 / 診断システム / 劣化損傷診断 / 圧電材料 |
研究概要 |
本研究は,船舶の各種機器の制御装置からの運転情報を取得し,各種機器の発する振動や音響,熱,配管のひずみ,腐食など,機器の故障や劣化の予兆を検出し,さらに各種機器の健全状態を診断する計測装置を開発することを目的としている. 研究の初年度である平成25年度は,(1)機関室内各種機器の設置環境情報を収録する計測装置の開発,(2)機関室内各種機器の故障,劣化と計測情報の関連性についての調査の実施を計画していた. まず,研究全体の計画と実施準備のため,実施内容(1)に関連して機関室内機器を模擬した清水の加熱冷却装置整備と計測センサの設置,装置の基本特性データ収集のための実験を行った.次に実験結果を基に,装置のシミュレーションモデル開発を行った.さらに,実施内容(2)に関連し,船舶機関室内の機器について,故障発生状況や対処について,文献調査と造船所における聞き取り調査を行った.この結果,船舶機関において危害となる火災,主機停止に関連する装置システムの特定と,危害事象についての知見,情報を得ることが出来た.また,機器の情報診断処理技術に関する文献調査を実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の進捗について,実施内容(1)設置環境情報を収録する計測装置の開発にやや遅れが生じている.理由は,研究において振動発生源として使用を予定していた学内の材料強度試験機(油圧サーボ試験機)が故障したためであり,関連の実験を実施できなかったことが理由として挙げられる. 実施内容(2)機関室内各種機器の故障,劣化と計測情報の関連性についての調査は,順調に進捗している.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度予定の実施内容(1)計測装置開発の遅れについては,代替として清水の加熱冷却装置を利用すると共に油圧サーボ試験機を借用して対処し,平成26年度も引き続き計測装置の研究開発を実施する. また,実施内容(2)については,継続して情報収集を行い,さらに機器の故障,劣化に関連する実機データの収録を試行する. 本年度の準備作業を元に平成26年度から実施する内容(3)機器の診断ソフトウェア開発を開始する.
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