研究課題/領域番号 |
25420868
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
柳原 大輔 愛媛大学, 理工学研究科, 寄附講座准教授 (10294539)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 鋼製サンドイッチパネル / 2軸圧縮 / 横分布荷重 / 座屈 / 最終強度 |
研究概要 |
本年度は,鋼製サンドイッチパネルが二軸方向の面内圧縮荷重と横分布荷重を同時に受ける場合や,それぞれを単独に受ける場合を対象として,FEAによる弾塑性大たわみ解析を実施した。サンドイッチパネルのコア材として,コルゲートコア(Vコア)とウェブコアの2種類を考えた。また比較対象として,同程度の曲げ剛性を有する既存の防撓パネルの解析も実施した。以前に実施した解析では,コルゲート2波分の領域しかモデル化を行わなかったが,本年度の研究では実構造の挙動を把握することを目的に,縦横の大骨部材に支持される範囲までをモデル化した。その結果,コルゲートコアサンドイッチパネルでは80,000要素からなる大規模モデルを使用して解析を実施した。これらの解析を通して,次のような鋼製サンドイッチパネルの座屈・崩壊挙動の特徴を明らかにした。 横圧を受けるサンドイッチパネルは支持部付近のコアパネルで局部変形が生じやすく,同程度の剛性を持つ防撓パネルに比べて曲げ崩壊強度は低くなることが明らかとなった。一方,面内圧縮を受ける場合のウェブコアサンドイッチパネルは防撓パネルと同程度,コルゲートコアではそれ以上の強度を持つが,横圧が作用するとこの大きさに応じて面内最終強度が大きく低下していく。さらに,二軸圧縮を受けるサンドイッチパネルの最終強度相関曲線は角張った形状,つまり,二軸応力のいずれかが限界値に達すると崩壊するような形状となることも分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究成果により,コルゲートパネルやウェブパネルをコア材とする鋼製サンドイッチパネルの崩壊挙動が概ね明らかになったと考える。さらに寸法を変化させた解析が必要ことやXコアパネルに対する解析がまだ実施できていないものの,当初予定していた小規模モデルを使用した解析ではなく,より現実的な大規模モデルを用いた解析を実施できたことは大きい。
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今後の研究の推進方策 |
さらなる寸法変化をさせた場合の二軸方向の面内圧縮荷重と横分布荷重を受けるコルゲートコア,ウェブコアサンドイッチパネルの崩壊解析を実施する。また,Xコアサンドイッチパネルの崩壊挙動解析にも着手する。一方で,コルゲートコアあるいはウェブコアパネルの模型を作製して,4点曲げ試験を実施する。試験を通して座屈・塑性崩壊挙動だけではなく,レーザー溶接部の破壊挙動についても明らかにしたい。ところで,サンドイッチパネルではその接合様式をどうするかが問題となる。そこで,本年度は具体的な接合様式の検討も行う予定としている。
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次年度の研究費の使用計画 |
ほぼ当初の予算通りの支出であったが,解析用のワークステーションに係る経費が10万円程度少なくなったためである。残金でワークステーションの性能をさらに強化することも検討したが,本年度予定している曲げ試験では予想以上の支出が発生することも考えられ,また,残金も比較的少額であることから,本年度に繰り越すこととした。 本年度予定している曲げ試験では予想以上の支出が発生することも考えられるため,残金はこれに充てることを考えている。ただし,少額なので大きな使用計画の変更は考えていない。
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