研究課題/領域番号 |
25420877
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研究機関 | 国立研究開発法人 海上技術安全研究所 |
研究代表者 |
高木 正英 国立研究開発法人 海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (50371092)
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研究分担者 |
川内 智詞 国立研究開発法人 海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (20549993)
今井 康雄 国立研究開発法人 海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (40426218)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ガス燃焼 / メタンスリップ低減 / 高圧化 / 自着火 / 急速燃焼 |
研究実績の概要 |
天然ガスを燃料としたエンジンから排出される未燃のメタンは,二酸化炭素に比べて温暖化係数が高いため,排出量の削減が求められている. 天然ガスの主成分であるメタンと空気の予混合気における高圧雰囲気場でのメタン排出低減の手法として,燃焼ガスによって未燃予混合気を圧縮し,自着火を誘発させるSACI(Spark assisted Compression Ignition)による急速燃焼と,高圧雰囲気化による消炎距離の短縮化を狙った.実験には急速圧縮装置を使用し,定容条件下での燃焼状態を圧力,可視化,排気により評価した.予混合気の着火にはスパークプラグを用いている. 平成27年度は,雰囲気圧力を2.0~5.0MPa,燃焼室形状(直方体の火炎進行距離)を60~100mmに変更して,圧縮着火する領域を探索し,火花点火による通常の火炎伝播から,SACI,点火前の過早圧縮着火までの燃焼形態を観察,分類した.なお,燃焼室形状の変更によって圧縮比も変更され,点火時雰囲気温度も同時に変更されている.当量比は0.7に固定した. SACIによって,圧力上昇率は通常の火炎伝播と比較して増加することが確認された.なお,過早着火の場合には更に圧力上昇率は増加する.火炎進行距離が長い燃焼室を用いることで未燃メタン濃度を減少させることができた.また,SACIが生じても未燃メタン量は大きく変化せず,雰囲気圧力の効果の方が大きいことが明らかになった.実際のエンジンにおいては圧力上昇率の増加によって燃焼重心が進角化するため,よりメタン濃度の低減が顕著になると想定される.なお,点火時圧力を2.0から4.5MPaに変更することで,約25%のメタン濃度が低減した.
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