研究課題/領域番号 |
25420883
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研究機関 | 北九州工業高等専門学校 |
研究代表者 |
太屋岡 篤憲 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科(情報システムコース), 教授 (60236768)
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研究分担者 |
吉野 慶一 北九州工業高等専門学校, 生産デザイン工学科(情報システムコース), 教授 (40249876)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 廃被覆電線 / AEセンサ / 信号処理 / 画像処理 / 判別分析法 |
研究実績の概要 |
現在,風力選別機を用いて,廃棄された被覆電線を粉砕した銅と塩ビの混合物から製品となる銅と不純物となる塩ビを分けるリサイクルが行われている。しかし,回収率が高々80%程度に留まっているため,回収率を大幅に向上させる高効率な選別システムの開発が望まれている。本研究では,選別後の回収箱の壁に,両粒子が衝突する際に生じるノイズ的な衝突音をAE(Acoustic Emission)センサにより測定し,それらの衝突音をもとに,フラクタル次元解析及び逐次ルール生成型ファジィ推論を用いて,回収箱内の両粒子の混合比を自動で算出するモニタリングシステムを開発することを目的とした。なお,本研究では,銅粒子と白,黒,赤,青,緑,灰色の6色の塩ビ粒子の判別を行った。 平成25年は,まず,粉砕機及び電磁式ふるい振とう機を用いて,被覆電線を粉砕し,ふるいの目開きサイズにより7段階(粒子径2mm~200μm)に分けた銅/塩ビのテスト粒子を作成した。次に,テスト粒子を,実体顕微鏡及びUSBカメラを用いて撮影し,形状の特徴量(面積,円形度,アスペクト比等)を算出するプログラムを作成した。しかし,作成したプログラムでは,背景色の黒に似た塩ビ粒子が背景に埋もれてしまったため,撮影したRGB画像をHSV色空間上に変換し,画像処理で広く用いられている大津の二値化を数回適用し,背景色を除去し,黒色の塩ビ粒子も抽出した。 平成26年は,AEセンサで測定した衝突音をフラクタル次元解析し,その値をもとに,パターン認識の際良く用いられる線形判別分析法を用いて,誤差率3%の判別システムを作成した。 しかし,作成した背景除去プログラムは,光源の変化の影響を受けやすかったため,平成27年度は,背景を白と黒二種類に入れ替える装置を作成し,線形判別法と粒子の輪郭抽出を組み合わせたプログラムを作成し,誤差率を1%以下にした。
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