ウラン等の重金属をリン酸塩化した酵母をゾウリムシが捕食すると、酵母細胞上の重金属リン酸塩はほとんど溶解することなく排泄され、酵母の消化残渣同士が緻密な有機物によって結合され形成される膜状沈殿物中にリン酸塩として移行した。ゾウリムシ細胞には、細胞表面の水溶性巨大糖タンパク質に重金属が結合し疑似コロイドとして細胞から溶出することで、細胞への重金属の吸着を低下させる機能があった。この糖タンパク質は水溶液中で容易に重合した。これらの結果は、ゾウリムシによって重金属イオンが疑似コロイド化することを示し、糖タンパク質の重合体が酵母消化残渣を結合して膜状沈殿物が形成された可能性も示唆する。
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