高強度レーザーを薄膜に集光すると、レーザー電磁場と薄膜プラズマの相互作用により1ミクロンあたり100万ボルトに達する強力な電場が発生し、これにより100万電子ボルト級の陽子が加速される。同時に、電場を形成する電子流によりキロテスラ級の強力な磁場が発生すると予想される。この磁場により加速された陽子の核スピンが偏極されることを実証することを目指した。 阪大レーザー研に設置された世界最高強度レーザー(LFEX)を用いた実験で、開発したエネルギー分析器により5000万電子ボルトの陽子加速に成功したが、核スピン偏極は実証できていない。今後も研究を継続する。
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