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2013 年度 実施状況報告書

高速クラスターイオンのガス相との相互作用の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25420912
研究種目

基盤研究(C)

研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

斎藤 勇一  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 高崎量子応用研究所 放射線高度利用施設部, 課長 (40360424)

研究分担者 金子 敏明  岡山理科大学, 理学部, 教授 (40158853)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードクラスターイオン / 解離・荷電変換断面積 / ガス標的
研究概要

本研究では、基本的相互作用であるガス標的との1回衝突による解離・荷電変換断面積に関して、クラスターイオン特有の立体構造に起因する衝突角度(配向)などを詳細に考慮した測定を行い、反応機構への構造の寄与を明らかにすることを目的とする。 H25年度は、タンデム加速器荷電変換システムを利用して、構造の異なるクラスターイオンについて解離・荷電変換断面積を比較し、H26年度はガスターゲットとクーロン爆発法を組み合わせた配向測定システムの構築を行う。さらに、H27年度は配向と解離・荷電変換断面積を同時に測定し、これらの結果から断面積への配向の影響を明らかにする。
H25年度は、幾何学的構造の異なるクラスターイオンの解離・荷電変換断面積(それぞれσd、σp)を、タンデム加速器を利用した実験から求め、構造の影響を強く受けると考えられるσdについて比較した。具体的には、ヘリウムを標的として、鎖状クラスターイオンである炭素クラスター(C4-C10)と籠状クラスターイオンであるフラーレン(C60)について、ガス圧を変化させて測定したクラスターイオンのタンデム加速器透過率のグラフを、それぞれσdとσpで表された微分方程式の解でフィッティングすることによりσdとσpを求めた。
この結果から、得られた籠状クラスターの解離断面積は、理論的に求まるその幾何学的投影面積とほぼ一致した。一方、鎖状クラスターの解離断面積は幾何学的投影断面積の60%程度であった。鎖状クラスターの幾何学的投影面積は重心を中心に全角度に等確率に回転していると仮定したものであるが、進行方向に配向した状態の確率が高いために断面積が小さくなると考えらる。本結果は、計算にクラスターの衝突角(配向)を取り入れる必要があることを示唆するものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

交付申請書に記載した計画に沿って、タンデム加速器の荷電変換システムを利用してクラスターイオンの解離・荷電変換断面積を導出した。形状が異なるクラスターの解離断面積を比較することにより、クラスターの配向が解離断面積に影響することが示唆される結果を得た。

今後の研究の推進方策

計画に沿い、次年度に向けて、引き続きタンデム加速器の荷電変換システムを利用して、荷電変換ガスとして単原子及び分子構造を持つ気体を用い、異なる分子構造を持つクラスターイオンについて解離・荷電変換断面積を測定する。また、設計したガスターゲットチェンバーを用いて、配向角と解離・荷電変換断面積の同時測定法の開発に係る予備的実験を行う。

次年度の研究費の使用計画

既存の部品を有効に利用することにより製作物品のコスト節約ができたため。
当初の予定通り、実験に必要な真空部品、ガス試料等消耗品の購入と成果発表のための国内及び国外旅費等に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] C60イオンのタンデム加速器透過率2014

    • 著者名/発表者名
      斎藤勇一、千葉敦也、薄井絢、山田圭介、鳴海一雅
    • 学会等名
      日本物理学会第69 回年次大会
    • 発表場所
      東海大学湘南キャンパス
    • 年月日
      20140328-20140328

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公開日: 2015-05-28  

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