研究課題/領域番号 |
25430002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
長谷川 潤 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10332230)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 神経科学 / 生体脂質 / 発生 / シグナル伝達 |
研究概要 |
本研究では、神経軸索再生におけるホスファチジルエタノールアミン(PE)の細胞膜内動態の役割について解析を行っている。申請者はこれまでに、初代培養海馬神経細胞を用いた研究により、IV型ATPaseにより誘導されるPEの細胞膜内動態が神経突起の伸長に関与することを示してきた。また、この現象には低分子量G蛋白質のCdc42が関与することを明らかにしてきた。本研究では、これらの成果をDRG神経細胞に適用することにより、末梢神経の軸索再生における細胞膜脂質のダイナミックスが持つ重要性を明らかにすることを目的とした。 研究計画1~3ではDRG神経細胞を用いた分子生物学的な解析を計画しており、これまでDRG神経細胞の培養を試みてきたが、安定した培養結果を得られてこなかった。様々な培養条件を検討し、ディッシュのコーティング剤を変更したところ改善が見られたので、現在この条件で実験を進めているところである。一方、個体レベルの実験については、軸索障害モデルの作成を行い、坐骨神経挫滅モデルおよび大脳皮質損傷モデルの実験系を立ち上げることに成功した。現在、坐骨神経の完全切断―神経端再縫合モデルの立ち上げを行っているところである。 研究計画4については、上記のようにDRG神経細胞の実験系の立ち上げが遅れたため、初代海馬培養神経細胞を用いた解析で進めてきた。その結果、いくつかの軸索ガイダンス分子がPEの細胞膜内動態を制御する可能性を見出した。これらのガイダンス分子は、細胞内カルシウム濃度の上昇を介してPEの細胞膜内動態を制御していることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
DRG神経細胞の培養条件の確立に時間がかかり、海馬神経細胞を用いた実験で進めている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画は変更せず、遅れた分の進行を取り戻せるように最大限の努力を行う。
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