グリア細胞は、神経細胞と同様にATP受容体を持ち、神経系の情報処理に能動的に関与する可能性がある。当初、小脳グリアATP受容体の機能的役割を調べるため、microRNAを利用したグリアATP受容体遺伝子の特異的発現抑制を試みたがうまく行かなかった。しかしながら、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いて小脳グリア特異的に遺伝子を導入する実験を行う中、通常AAVベクターで導入できる遺伝子サイズを実質上増やしてグリアに発現させることが可能な方法を開発することができた。この方法の長所と短所を実験的に明らかにし、その成果を学術誌に論文投稿する準備を行っている。
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