逆行性神経トレーサーである狂犬病ウイルスを用いて網膜神経節細胞から大脳高次視覚野の腹側経路に位置するV4および背側経路に位置するMT/V5へ到達するための経路を検討した。マカクサル網膜フラットマウントに標識細胞が認められ、先行研究の結果と合わせ網膜とV4及びMT/V5とは、最も少ないシナプス数としてそれぞれ3次ニューロン結合、2次ニューロン結合で連絡をもっている可能性が考えられた。 また病態生理からのアプローチとして色覚異常、立体視機能異常を含む高次視覚障害を呈した脳炎の臨床症例で網膜と高次視覚野との関連を検討し、網膜には影響がなかったことを報告した。
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