身体の空間ベクトル表現に基づくニュートン・オイラー力学により第一次運動野(M1)が視覚運動変換を行っているという計算論モデルを提案し、M1神経活動における多様な性質を統一的に説明した。このモデルはヒト運動適応実験の汎化パターンなど様々な結果も説明できることを示した。M1に加えて、頭頂葉や小脳を含む運動野ネットワークのモデル化も試みた。小脳の神経活動をモデル化し、小脳の入力である苔状繊維から出力である小脳核で予測的な変換が行われていることが分かった。これらの計算論モデルから、運動野ネットワークにおける身体運動の予測と制御に関する神経表現や計算アルゴリズムを解明することができた。
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