プレキシンA2/A4二重変異マウスでは大脳皮質浅層ニューロンが移動を停止できず第1層に異所的に分布する。本研究ではこのマウスの解析を通し、新規移動停止機構の解明を目指した。プレキシンA2/A4タンパク質は浅層ニューロンの先導突起上に分布し、細胞自律的に機能した。一方、リガンドであるセマフォリン6Aは脳室帯のラジアルグリア細胞に由来し、そのタンパク質はラジアルグリア細胞の突起上に分布するが、特に第1層近傍の遠位側に濃縮していた。ニューロンはラジアルグリア突起を基質として移動するため、第1層近傍のこれら分子間の相互作用が移動細胞を基質から離脱させ、その結果停止に至るという新しい機構が考えられた。
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